半月ぶりの休日。ワイフは昨日から泊りがけで出掛けている。一人の日曜日の朝。
顔を洗って目玉焼きを作り、コーヒーを落とす。食事の後は家中掃除機をかけて、着替える。
自転車に空気を入れてペダルを漕ぎ出す。目的は特に無い。ただこんな陽気に家に籠もっているのが勿体無いだけ。
近所の美術館の前を通り過ぎるときに、ここで今俺が一番好きな日本人画家の絵が展示されているのを思い出した。(いつでも来れる)と思っていても、結局今日を逃すともう観れないかもしれない。と言う訳でフラフラと吸い寄せられるように入館。
目当ての絵は美術館の2階にあった。「絵具屋」 佐伯祐三作 1925年
高校生の頃から一番好きな画家。画集は持っているが実物を目にするのは初めてだった。80年前に氏がこのカンバスの前に立っていた。今正にその前に、こうして俺が立っている。80年の時の流れを感じさせず、カンバスの上の油絵具は淡い照明に照らされ光沢さえ放っている。
感動で鳥肌が立った。少し離れたベンチに座って眺めたり、また近づいて観たり。込み上げる思いで一杯。入館料1000円、十分満足。
そのまま自転車で近隣の桜の名所を回る。どこも今日が一番の見頃だった。風も強いので桜吹雪も見事。こんなにゆっくり花見をしたのは生まれて初めてかもしれない。心が凪いでいく。
そんな春の休日。心のネジはしっかり巻いた。